1.胸腰椎椎弓根スクリューRevision例の検討 兵庫医科大学 整形外科 木島 和也(きしま かずや)、橘 俊哉、圓尾 圭史、有住 文博、楠山 一樹、吉矢 晋一 【目的】胸腰椎椎弓根スクリューのrevision例を検討した。 【方法】2014年から2017年に当科にて胸腰椎椎弓根スクリュー(PS)を用いた手術を行い、その後PSのfailureが原因で再手術となった12例を後ろ向きに検討した。検討項目はrevisionとなった理由、原因、revisionの方法である。 【結果】男性5例、女性7例。平均年齢75(65-85)才。疾患は日要椎変性側弯症4例、感染性脊椎炎4例、腰部脊柱管狭窄症・転移性脊椎腫瘍口椎体骨折日透析性腰椎症が1例であった。 Revisionとなった理由はPSの脱転が4例、感染が4例、malpositionが4例であった。PSの脱転例は全例PPSを用いており、DISHを1例に認め、Revisionは3例フックヘの変更、1例PSのサイズアップを行った。感染例では化膿性脊椎炎の波及が1例、SSIが3例であり、対応は1例がスクリューのサイズアップ、1例が固定の延長、2例でLⅣ を近位に、UIVを遠位にすることで罹患椎間の骨癒合を認めた。Malposition例では全例内側へ逸脱し、根症状を呈しrevisionとなった。全例、スクリューの入れ直しを行った。 【まとめ】胸腰椎椎弓根スクリューのrevisionの原因としてはPPSの使用、感染、malpositionであった。 |
2.CBT-facet fusion術後2年以上経過症例の術後合併症の検討 徳島県立中央病院 整形外科 小坂 浩史(こさか ひろふみ)、岩瀬 穣志、濱口 隼人、大道 泰之、江川 洋史 【はじめに】当科では腰椎後方固定術に低侵襲性および固定椎間可動性温存目的にCBT―facet fusionを行っている。今回術後2年以上経過症例の術後合併症を検討した。 【対象 方法】2椎間までの腰椎後方除圧固定術を施行し2年以上経過観察できた8例を対象とした。男性3例女性5例、手術時平均年齢73.7(62-86)歳。術後経過観察期間は30.9(25-37)ヶ月。評価方法はclear zoneの出現、骨癒合、隣接椎間・椎体障害および椎間関節障害の有無。内固定材破損の有無について検討した。 【結果】骨癒合は7例/8(87.5%)であった。最終調査時、clear zone残存は2例/8(25%)であり、隣接椎間障害1例/8(12.5%)、椎間関節障害は1例/3(12.5%)に認めた。隣接椎体障害、内固定材破損症例は無かった。 【考察】骨癒合率はPLF80%前後PLIF90%程度と報告されている。今回当科でのCBT-facet fusionは骨癒合率87.5%と良好な結果であつた。CBT screwは刺入部位が椎間関節に近く術後隣接の椎間関節への干渉が危惧されるが今回の結果では椎間関節障害は1例であった。 【まとめ】2年以上経過したCBT―facet fusion症例の骨癒合率は87.5%であった。隣接椎間障害、椎間関節障害をそれぞれ1例認めた。 |
3.腰椎椎弓切除術後の早期再手術例の検討 重工記念長崎病院 整形外科*1、長崎大学 整形外科*2 三溝 和貴*1(みつみぞ かずたか)、田上 敦士*2、崎村 俊之*1、依田 周*1、金丸 由美子*1、山田 周太*2、西 亜紀*1、矢部 嘉浩*1 平成28年4月から平成29年3月までの1年間に腰椎椎弓切除術をおこなった96例(男性56例、女性40例、平均年齢71.8歳)について、術後1年以内に再手術をおこなった症例について検討をおこなった。1年以内に再手術をおこなった症例は96例中2例(2.1%)で、いずれも椎間関節嚢腫に対して後方除圧固定術をおこなっていた。 症例1:76歳男性。第4腰椎変性すべり症に対してL4/5椎弓切除術をおこなった。術後3カ月で右下肢痛が出現し、L4/5右に推間関節嚢腫を認め、術後4カ月でL4/5後方除圧固定術をおこなった。 症例2:83歳男性。腰部脊柱管狭窄症に対してL3/4、4/5椎弓切除術をおこなった。術後2カ月で両下肢症状再燃あり、L3/4両側、L4/5右に椎間関節嚢腫を認めた。術後8カ月でL3/4,4/5後方除圧固定術をおこなった。 術後早期に下肢症状再燃した場合は鑑別として椎間関節嚢腫も念頭に置く必要がある。 |
4.腰椎再手術例の検討 JCHO宇和島病院 整形外科 藤田 勝(ふじた まさる)、河野 宗平、友澤 翔、黒河 健、冨永 康浩、松田 芳郎、藤井 充、渡部 昌平 【はじめに】当院で2004年から2017年までに行った腰椎手術1200例の再手術例を検討した。腰椎固定術は3椎間までを対象とした。 【再手術の疾患】腰椎椎間板ヘルニア再摘出術は5/373で1.3%、ヘルニア摘出術後の固定術は7/373で1.9%、腰椎椎弓切除後の同レベルの固定術は17/664で2.6%、同レベルの再除圧は4/664で0.6%、腰椎固定術後(1椎間固定133例、2椎間固定27例、3椎間3例)の隣接障害は7/163(隣接固定5例、隣接除圧2例)で4.3%であった。固定術後の隣接障害による再手術の時期は平均4.4年、除圧後に同レベルの固定を要した時期は平均4.9年であったが、2年以内に固定を要した症例が12例と半数を占めていた。再手術で固定を要した原因はすべりの進行または出現による再狭窄が9例、椎間孔狭窄、脊柱管の再狭窄が6例、終板障害が5例、椎間板ヘルニアが3例、術後慢性疼痛1例であった。当院では除圧後の固定は片側PLIF(TLIF)で対応している。 |